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注目の一冊

ぼくらの戦争なんだぜ

★★★ 好評発売中 ★★★

高橋 源一郎 著

 戦場なんか知らなくても、ぼくたちはほんとうの「戦争」にふれられる。そう思って、この本を書いた。

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ぼくらの戦争なんだぜぼくらの戦争なんだぜ
定価1,320円(税込)


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 戦場なんか知らなくても、ぼくたちはほんとうの「戦争」にふれられる。そう思って、この本を書いた。

 教科書を読む。「戦争小説」を読む。戦争詩を読む。
すると、考えたこともなかった景色が見えてくる。
人びとを戦争に駆り立てることばの正体が見えてくる。

 戦意高揚のための国策詩集と、市井の兵士の手づくりの詩集、その超えられない断絶に橋をかける。


 「彼らの戦争」ではなく「ぼくらの戦争」にふれるために。

第1章 戦争の教科書


1・ニッポンの教科書

  • ・あたらしいこくご
  • ・教科書なんかつまらないとずっと思っていた
  • ・教科書の中にある、もうひとつのことば、戦争のことば
  • ・ぼくたちの父や祖父は、子どもの頃、こんな教科書を読んでいた


2・ドイツの教科書、フランスの教科書

  • ・人の心を萎えさせるような、断固とした「声」
  • ・歴史をためらいがちに語る「声」


3・その壁を越える日

  • ・植民地からの「声」
  • ・ぼくたちがたどり着く場所


第2章 「大きなことば」と「小さなことば」

  • ・戦争と記憶、庶民の戦争
  • ・『この世界の片隅に』の語り方
  • ・戦争なんか知らない
  • ・「大きなことば」と「小さなことば」
  • ・「大東亜」なことば
  • ・「ひとすぢのもの」
  • ・「小松菜つむ指の露深き黒土に濡れ」
  • ・「こつこつと歩いて行く」
  • ・ぼくたちは戦場へ行った
  • ・幻の詩集
  • ・加藤さんのことば
  • ・西村さんのことば
  • ・長島さんのことば
  • ・佐川さんのことば
  • ・風木さんのことば
  • ・最後に、山本さんのことば


第3章 ほんとうの戦争の話をしよう  


1・正しい戦争の描き方

  • ・ほんとうの戦争の話をしよう
  • ・死の国にて


2・彼らの戦争なんだぜ

  • ・「遠い」ということ
  • ・統合失調症とされた作家たちのことば
  • ・すべてが「遠い」小説
  • ・『野火』がたどり着いた場所


第4章 ぼくらの戦争なんだぜ 


その1・ごはんなんか食べてる場合じゃない

その2・女たちも戦争に行った

  • ・「平時」の思想
  • ・彼女は戦争に行った


その3・ぼくたちが仮に「戦場」に行ったとして、最後まで「正常」でいるためには

  • ・「私」は撃たない


その4・戦場から遠く離れて

  • ・ふたつの「国」と「ことば」の間に生まれて
  • ・夢の世界をさまよって


第5章 「戦争小説家」太宰治

  • ・加害の国の作家
  • ・ずっと戦争だった
  • ・小さな二つの小説
  • ・「真の闇」の中を歩く
  • ・文学のために死んでください
  • ・純情多感の一清国留学生「周さん」のこと

著者紹介

(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

高橋 源一郎(たかはし げんいちろう)
1951年生まれ。
作家。
明治学院大学名誉教授。
横浜国立大学経済学部中退。88年『優雅で感傷的な日本野球』で三島由紀夫賞、2012年『さよならクリスファー・ロビン』で谷崎潤一郎賞受賞。


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